伊藤金属総業
一軸入魂ブログ

一軸入魂ブログ  有限会社伊藤金属総業 円でつながる

2025/02/04
円でつながる
  • 円でつながる

蝶番をつくる上で一番の肝となる加工工程の「カール加工」 プレス加工の中では「カーリング」、日本語では「巻き」とも呼びます。 (弊社工場では皆「巻き」と呼ぶ) 蝶番としての役目を果たすため、この「カール部」に「軸」(シャフト)が通されて相手側の「蝶番片」(ヒンジピース)と組み合わさり、閉じたり開いたりの動作が行える様になります。 このカール部の形が多少いびつでも、軸が通り蝶番が動作さえすれば蝶番としては機能します。 が。 伊藤金属はこのカール部が「円」に近づく様に大変こだわります。 私も工場に入り蝶番をつくり始めた頃、先輩たちがなんでそんなに円にこだわるのか不思議でしたが、とにかくこだわります。 カール部は、軸を入れて組立ててしまえば見えなくなりますし、そもそも機器に取り付けられるとカール部の形どころか蝶番そのものが注目されることはありませんが…。 伊藤金属でつくる蝶番のカール部は2工程で丸めています。 この2つの工程の設定の仕方によりカール部が円に近づくかいびつになるかが決まってきます。 (一般的なプレス加工では円により近くなるが3工程以上でカーリングする事が多い) カール部がいびつで中に通る軸に対して適切な大きさと形状になっていないと、ガタツキが起きたり動作が悪くなることも有ります。 軸の固定方法によっては軸の固定があまくなり抜け落ちてしまう事もあります(心棒抜け=蝶番の致命的な不具合) 同じ工程で作業をするのなら、不具合につながらない様にしなくてはいけません。 なにより品質や精度は大事ですが、単純に自分がつくる製品の形がキレイに整っていた方が気持ち良くないですか?(笑) とにかく、「円」にこだわり、毎日何千回ものカール作業を行っています。 伊藤金属が「円」にこだわるのは、ただの品質や精度の追求ではありません。 相手に求められる「円」だからこそ、軸や蝶番片としっかりつながりスムーズに動作を行います。 人と人、会社と会社がしっかりとつながる「縁」のようなものですよね。 円がきれいに整うほど縁も強くなる。 伊藤金属はこれからも「円」と「縁」を大切にし皆が幸せになる幸場(こうば)でありたいです。